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インタビュー:【後編】SDGs×エンタメイベント「Change Makers Fes」ができるまで

  • 世界でのべ65万人の若者が熱狂した社会貢献イベントがついに日本上陸。3月28日(火)に開催する『Change Makers Fes 2023(チェンジメーカー・フェス)』には、人や地球に対していい活動をした25歳以下の子ども・若者1,000名以上が集結します。

    今年4月に発足するこども家庭庁が掲げる「こどもまんなか社会」の実現について、共催団体の認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン(以下、FTCJ)の代表・中島早苗と、Change Makers Fes プロジェクトリーダー・伊藤菜々美にインタビューしました。【前編はこちら】 

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    「こどもまんなか」社会を創る、記念すべき1日にーー

    ――いよいよ、今年4月にはこども基本法が施行され、新しい省庁として「こども家庭庁」が発足します。その背景やこれからの動きについて教えてください。

     
    【中島】子どもの権利を総合的に守る「こども基本法」が成立され、この法律に基づき、こども施策をすすめる担当機関の「こども家庭庁」が創設されることは大変喜ばしく、これからの日本社会に期待をしているところです。FTCJでは、こども基本法制定に向け、その他の団体とともに、2019年に「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」というネットワークを作り、政策提言活動に取り組んできました。

    【伊藤】こども家庭庁が目指すのは、すべての子どもの権利を保障し、子どもに関する取り組み・政策を社会の真ん中に据える「こどもまんなか社会」に取り組むことです。政府には、これからしっかりと子どもの声を聴きながら子ども施策を策定してもらいたいと期待しています。そのために引き続き、子どもとともに声をあげていきたいと考えています。

    【中島】その第一歩として、こども家庭庁の設置準備を中心となって進めている小倉將信・こども政策担当相へ、先日、FTCJの子どもメンバーと一緒に訪問をしてきました。残念ながら、この4月からこども家庭庁ができることを子どもや若者にまだあまり知られていません。

    そこで、Change Makers Fesを通じて、子どもの権利を総合的に守る法律ができ、子どもに取り組む国の新しい機関ができることを伝える機会としたいこと、子どもとしてどんなことを今感じていて、どんな社会になったらよいと思っているのかを、訪問した子どもメンバーから直接大臣にお伝えしました。そして、なんとフェス当日は大臣も来てくださることに!

    中島 早苗(なかじま・さなえ)
    認定NPO法人フリー・ザ・チルドレンジャパン 代表
    学生時代に環境NGOに所属し社会問題に向き合う。アパレル会社勤務を経て米国NGOのインターン中にFree The Childrenを知る。理念に共感し帰国後の1999年に日本支部を設立。以後、活動に従事。著書に「フィリピンの少女ピア」「チャレンジ!キッズスピーチ」など。2007年国際ソロプチミストより「青少年指導者育成賞」受賞。2022年7月から新潟市子どもの権利推進委員会委員に就任。 (Photo:横関一浩)

     
    【伊藤】子どもたち自身にも、こども家庭庁や国の政策について関心を持ってほしいですね。「こどもまんなか社会」の実現のためには、こどもや若者の意見が聴かれ、その声を尊重していくことが何よりも重要だからです。

    すべての子どもは意見を表明する権利を持っていることも認知が低いので、2023年2月末まで、10代のつぶやきを集めるキャンペーンを実施しています。「なんか嫌だな」「これってどうなの?」といった、なんとなくモヤっとした経験をハッシュタグ「#10代のモヤモヤ」をつけての投稿や、フォームに記入をして頂いています。集まった声は、こども家庭庁発足にあわせ、担当大臣をはじめ関係省庁や議員に届ける予定です。

    【中島】こども家庭庁発足とあわせて、4月1日には「こども基本法」が施行されます。「こども基本法」の施行により、日本は「子どもの声を聴く社会」への転換を求められます。子どもたちが自分の意見を社会に伝える力を備え、社会が子どもの気持ちや声を聴き、権利を守り活かしていくにはどうすればよいのか、このキャンペーンで集まった声を通して考えていく予定です。

     

    SDGsに馴染みがある若者・子どもたちが増える社会

    ――日本で活動して20年。ソーシャルアクションを積極的に行っていた学生がおとなになっても社会貢献を続けていくそうですね。

     
    【中島】FTCJは、1999年の創設以来、これまで延べ17万人以上の子どもや若者に関わり、ソーシャルアクションを起こせるようサポートしてきました。その結果、多くの若きチェンジメーカーが誕生し、おとなになっても自分らしく人や地球にいいことに取り組んでいて、社会に好循環が生まれていると感じます。

    【伊藤】私自身も高校生の頃に活動を始めました。フリー・ザ・チルドレンは12歳のカナダの男の子が創設したのですが、彼の活動ストーリーが教科書に載っていました。学年全員がボランティア活動に興味を持つだろうと思い、「日本にもこの団体があるらしい」と周囲に呼びかけてみたのですが……誰も興味を持ってなくて(苦笑) そこで少し挫折しかけながらも、社会問題について調べたり、国際協力を学べる大学の学部を選んだり、大学進学後にFTCJの活動に本格的に参加するようになりました。

     

    伊藤 菜々美(いとう・ななみ)
    認定NPO法人フリー・ザ・チルドレンジャパン Change Makers Fes プロジェクトマネージャー
    Change Makers Fes立ち上げ当初から参画。高校時代、学校の英語の教科書をきっかけに国際協力団体「フリー・ザ・チルドレン」と出会い、インドやフィリピンの支援事業にかかわる。演劇経験を活かして、児童労働や紛争問題など世界の現状を伝える劇の脚本・演出などを行う。大学では国際政治学/平和構築を専攻し、途上国を中心に約30か国訪問。大学卒業後、一般企業勤務を経て、認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパンに入職。カナダのパートナー団体でも、ファシリテーター研修を受講、実践、スキルを習得し、以後、子ども向けに楽しく世界を知るワークショップや講演会を行っている。

     
    【中島】FTCJでは、「Gift +Issue=Change!」という活動の方程式をメンバーに紹介しています。これは、好きなことや得意なこと(Gift)と興味ある社会問題(Issue)と掛け合わせて、変化を起こそう(Change)!と言う考え方です。伊藤菜々美さんが大学生の時、まさにこの方程式を用いて彼女らしい活動に取組んでいたことが印象的でした。

    【伊藤】そうなんです。私が好きなことは「演劇」で、特に児童労働問題に関心を持っていました。そこで、児童労働を題材にした演劇を公演するというアクションを子どもたちと取り組みました。

    【中島】様々なイベントで公演し、多くの方と児童労働の問題を考えるきっかけを作った演劇は大成功でしたね。

    【伊藤】はい、ありがとうございます! 学生時代、いろんなボランティア活動をしてきましたが、そもそもは小学5年生の時にニューヨークで同時多発テロをニュースで見て、子どもの自分にはどうしようもできない社会への不安を強く感じたことが活動のきっかけでした。当時、自分には何もできない無力感から、気になるのに社会問題から目を背けていた自分のことも嫌いでした。

    でも、FTCJと出会って「子どもにも世界を変えるチカラがある」と感じてからは、社会や自分と前向きに向き合えるようになったんです。一人ひとりがモヤモヤを感じたことに背を向けず、悲観せずに向き合い、取り組めたらいいなと思うので、「皆で明るくワクワクするような生活・社会」を作っていきたいです。

    【中島】子どものころから社会貢献活動をすることで、社会問題を自分ゴトとして考える力が身につきます。さらに、アクションを起こすことは、計画を立て、実行して、振り返るPDCAサイクルを回すことにもなるので、社会問題に限らず、これからの不確実性の高い時代を生きていくために必要なスキルも高められると思います。

    ――最後に、これから取り組みたいことを教えてください。

     
    【中島】日本の子どもや若者の自殺率の高さを何とかしなければと危機意識を持っています。子どもたちが生きる希望を見失い、命を絶つという選択をしなければいけないほど追い込まれていることを、社会全体で取り組まなければいけないと感じています。

    すぐに状況は好転しないかもしれませんが、子ども自身に、こどもの権利があることを伝え子ども自身が自分のウェルビーイングについて考えられるようにサポートしたり、悩んだり辛いことがあったらひとりで抱え込まずに相談してほしいことを伝えたいですね。そのために、相談に対応できるおとなの存在を増やしていく養成事業にも取り組んでいきたいと思っています。

    【伊藤】カナダで見た「WE Day」を見て感動して、日本でも開催したい!と15年前から思ってました。長年の夢だった「Change Makers Fes」会場開催をとにかく今、成功させたいです。

    モヤモヤではなくワクワクが多い社会になるよう、アクションを起こすクールな和を広げていきたいです。子どもには、そしてすべての人には世界を変えるチカラがあります。Together we can change the world!

     

      《イベント概要》
      日本初のリアル開催を迎える“社会貢献×エンターテインメント”イベント『チェンジメーカー・フェス 2023!
      チェンジメーカー・フェスは、人や地球のことを考え、ボランティア等に取り組んでいる25歳以下の子ども・若者が主役のライブイベントです。スピーチ、バンド演奏、ダンス、お笑いなど、あなたの“世界を変える力”を高める楽しいSDGs×エンタメのプログラムをご用意。「ソーシャルアクションを起こすチェンジメーカーたちを応援したい!」という想いを持ったタレント、ミュージシャン、活動家、政治家ら豪華ゲストがイベントに駆けつけ、あなたの一歩をお祝いします。

      東京ガールズコレクション等を手がけ、世界で活躍する演出家・山田淳也氏が総合演出を務め、総勢30組のエンターテイナーや著名人たちが織りなす音楽、お笑い、ダンス、イリュージョン、DJ、そして、活動家によるスピーチなど、さまざまなジャンルのパフォーマンスを融合させた煌びやかなライブステージを披露します。

       
      ・イベント名:Change Makers Fes 2023(チェンジメーカー・フェス2023)~世界を変えるキミに、この日を。~
      ・開催日:2023年3月28日(火)15:00~19:00 (会場 14:00)※オンライン配信あり
      ・場所:東京ドームシティホール(東京都文京区後楽1-3-61 東京ドームミーツポート1F)

      ・参加費:無料
      ・参加人数:1,000名+オンライン参加者

      ・内容:総勢30組のエンターテイナーや著名人たちが織りなす音楽、お笑い、ダンス、イリュージョン、DJ、そして、活動家によるスピーチなど、さまざまなジャンルのパフォーマンスを融合させたライブステージを通じ、ソーシャルアクションを起こした子ども・若者の活動を祝い、次の発展につなげていく新しいカタチのイベント。

      ・共催 認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン、日本財団
      ・後援 文部科学省、東京都、内閣府(申請中)、世田谷区教育委員会、文京区教育委員会、独立行政法人国際協力機構(JICA)、特定非営利活動法人日本NPOセンター、東京ボランティア・市民活動センター
      ・特別協力 大東建託グループみらい基金、株式会社パワープロジェクト

      ※実施体制は、1月24日時点のものです。以降、追加・変更する可能性があります。

      ・公式HP:https://changemakersfes.ftcj.org

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