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【開催報告】Change Makers Fes 2023開催レポート その2
2023年3月28日(火)、Change Makers Fes(チェンジメーカー・フェス)初の会場版をTOKYO DOME CITY HALLで開催しました。
Change Makers Fesは、SDGs達成に向けたソーシャルアクション(人や地球のことを考えた行動)を起こした 25歳以下の子ども・若者を無料で招待し、活動家や著名人と一緒にこれまでのアクションや成果を祝い、互いのこれからの活動にエールを送るイベントです。
2021年・2022年のオンライン開催を経て、遂に念願のリアル開催の今回、会場・オンライン配信合わせて約1,500人の方にご参加いただきました。ご参加いただいたチェンジメーカーの皆さん、ありがとうございました!
この開催レポートでは、3回にわたり、スピーチやダンス・音楽パフォーマンスなど盛り沢山となったイベントの様子をお届けします。
▶開催レポートその1はこちら
休憩時間のDJタイムの中、影ナレを担当したのは、ひかりんちょさんと、鈴木夢さん・楽さん・誉さん。後半に向けて期待が高まるメッセージを送りました。
後半ステージにまず登場したのは、スペシャルアンバサダーの世良マリカさん。
「世界では今、27か国以上で、戦争が起きている。」と静かに力強く話し始め、戦争の様子を伝えます。そして、「いかに戦争が残酷かを、いかに戦争がすべてを奪うかを、経験した女性がいる。平和を願い、そしてその大切さを伝えているサヘル・ローズさんです。」とステージが暗転すると、俳優のサヘル・ローズさんが現れました。
「ペルシャ絨毯に乗ってイランからやって来ました!」と冗談も交えつつ、客席とコミュニケーションを取りながら話しはじめます。
イラン・イラク戦争の真っ只中に生まれ、4歳の時に12人の兄弟も両親も、誕生日や名前などの自分に関する情報も失ったサヘルさん。「戦争を遠い国の出来事だと思っていませんか?」と問いかけます。破壊された街は10年後には元に戻るかもしれないけど、戦争を経験した人は、外見は傷が癒えても、心では永遠と大きなトラウマを抱えていることを伝えました。
現在は、誰かのためにできることをと、難民キャンプの学校運営のサポートやストリートチルドレンの子ども達に学ぶ機会の提供、大人達に雇用を生み出すための活動をしているそうです。みんなにできるアクションは「無関心をなくすこと」「決して当たり前は存在しないことを意識すること」だと話します。
「携帯は自分の小さな世界を作るものではありません。見たいページばっかり開いていたら、世界は小さくなっていきます。世界はとっても広い。みんなが知らないことが山ほどある。その中から自分の視野を広げること。そして平和は決して当たり前ではなくて、今すぐにでも滅びて崩れ落ちてしまう。1日5分でも良いから、世界で起きていることを学ぶ時間に切り替えてみてください。」と伝えた。
その次に登場したのは、「病院がプラネタリウム」など、なかなか本物の星を見ることが難しい人達にも星を届ける活動をしている、星つむぎの村の皆さんです。
「今日は、広大な宇宙に皆さんをお連れしたいと思います。」そう言うと、ピアノとパーカッションの生演奏がスタート。スクリーンには、地球を飛び出し、宇宙から地球を見た様子が映し出されました。
「“宇宙からは、国と国の境は見えない、私たちの命を守る空気の層はとても薄くて儚い、地球は美しい”ということを、世界中の全ての人が心の片隅で思うことができれば、この世界はもう少し美しくなると思う。」そうしたメッセージと共に、地球、太陽系、天の川銀河とどんどん広い視点で見ていきます。今、この地球に、共に生きていることの奇跡を感じる時間となりました。
「この地上には、多くの争いや解決せねばならない課題が山積みだけれど、でも一人一人が幸せに生きたいというその願いは、みんなの願い。星と星を結んで星座が作られるように、私たちの願いをみんな繋いで、地球をぎゅーっと抱きしめよう。」
プラネタリウムが映し出されていた幕が降りると、そこに現れたのはロックバンドWENDY。軽快なロックサウンドで会場を盛り上げます。
18-19歳の4人。コロナ禍で生活が一変し、自分達の居場所が無くなったことの穴を埋めようともがき、そんな中音楽に出会って今は世界を目指して活動していると伝えます。「俺たちの世代は、学校の行事がキャンセルされたり、顔も隠された生活をして、今世界でも色々あって、希望を失いかけている人もいると思う。でも、希望はあると僕は思っている。皆さん一緒に頑張っていきましょう!」と同世代にエールを送りました。
セットリスト:M1:Rock n Roll Is Back M2:When U Played Me
続いて、チェンジメーカーからのショートスピーチコーナーには3校が登場し、それぞれが起こしたアクションの報告をしました。
世田谷区立桜丘中学校:ウェルビーイング(こころも身体も周りとの関係も、ほどほどに良い感じで、自分らしく安心していられる状態)を中学生でも分かりやすく学べるよう、フリー・ザ・チルドレン・ジャパンの授業開発に加わった。
ガールスカウト日本連盟:全国の18-25歳の女性に行ったジェンダー調査について報告をした。「“女性らしく”ではなく“自分らしく”生きられる社会になって欲しいと考えています。誰もが“自分らしさ”を選択出来る社会を目指して、現状から目を背けずこれからも声を挙げ続けたいです。」
上尾市立上尾中学校:社会科の授業で児童労働問題を知り、学校でチョコレートやドライマンゴーなどのフェアトレード商品を販売するアクションを起こした。
続いて、スクリーンには、沖縄の美しい海をバックに笑いを通して社会問題に物申す、お笑い芸人兼YouTuberのせやろがいおじさんの姿が。「お〜い!チェンジメーカーフェスに参加しているみなさ〜ん!伝えたいことあるから聞いて〜」と動画が流れ出し、動画でメッセージを送るかと思いきや、やっぱり生で伝えたいと、途中で本人がステージに登場!
「アクションしても世の中ってなかなか変わらないんですよ。無力感、しんどい気持ち、どんどん膨らんでいくことの方が多かった。でも、この活動を通じて1個だけ変えれたって自信を持って言ることがあるんですよ。それが“自分自身”なんですね。全く世の中・政治に興味なかったけれども、自分なりに考えて調べて発信した、自分の行動・自分の考えだけは変わった。まずは自分だけは変えてみよう。“自分だけ変える人”がこれだけの人数が集まっていけば、ちょっとは社会を変える力になっていくんですよ。それがまた誰かを変えて、どんどん輪となって大きく広がっていって、世界を変える大きな力になっていくと思う。」と、活動を続けているからこその想いを伝えた。
「今、ネットには問いと答えしかない。答えだけ見てなんか分かったつもりになる。でも大事なのは、問いが立てられた時に、じっくり考えてみたり、調べてみたり、誰かと意見を交わしてみたり、意見違う人とめんどくさいけど話してみたり、そういうめんどくさいけど地道な積み重ねがあって、やっと答えにたどり着く。やっと問題について理解できる。その時、皆さんは誰かのおかげでこの考えになりました、と感謝を伝えると思う。意見を違う人を論破して倒したら、分断しか生まれない。分断して敵を作りますか?それとも、ゆっくりめんどくさいけど言葉を交わして連帯して仲間を作っていきますか?」
座っている参加者に対して、そろそろ一度身体を動かそう!とフィットネストレーナー兼モデルのLaceyさんが登場。
アクションを起こすにはモチベーションが大切だと言う。トレーナーとして、日々モチベーションと向き合っているLaceyさん。モチベーションを上げるためには、高揚した気持ちが大切で、人間の三大高揚ホルモン(幸せホルモン)と言われる「エンドルフィン」を分泌しよう!と言うことで、ゲーム感覚で行える脳トレのエクササイズを行いました。
右と左で別の動きをしたり、Laceyさんの合図で左右上下に動いたり、最後は合図と逆の方向に動いたりと難易度が徐々に増していき、頭では分かっていても全然できない!と混乱する参加者も。
最後は、Laceyさんの挨拶、「お疲」「Lacey!」をコールアンドレスポンスで行い、会場は自然と笑顔で溢れました。
7人の子ども達によるダンスソロパフォーマンスが披露され、ヒットソングに合わせて踊られる多様なジャンルのダンスに盛り上がりました。
続いて登場したのは、モデルのよしあきさん。
日本人のお母さんと中国人のお父さんを持ち、台北で生まれ、6歳の時に日本に来ました。小学生では友達も出来ましたが、2年生になると“女々しいこと”をいじられるようになり、それがどんどん暴言・暴力へと発展してしまったそうです。女子トイレに閉じ込められたことをきっかけに完全に学校にいけなくなり、小学4年生から6年間引きこもり生活をすることとなりました。その間も、引きこもっていることがとても辛く、先のことを考えて絶望してどうしようもない気持ちになったと言います。
それからお姉さんの受験などもあり、よしあきさんは一度台北に戻ることにしました。その時、SNSを通じて似た境遇の友達が出来たり、日本のカルチャーやファッションの良さを再認識し、また日本に戻って自分も「普通に」ファッションや色んなことを楽しみたい!と思ったそうです。その期間を経て、周りの協力ももらいながら、自分のスピードで頑張り、まずはフリースクールに通い、そして高校受験にも成功しました。
現在は、今の自分が大好きだし、幸せだと思っていると言うよしあきさん。
経験を伝えることで、もしあの時の自分と同じ気持ちでいる子に、少しでも希望を与えられたら、と続けます。
「どんなことにも終わりが来ます。嬉しいことも悲しいことも辛いことも、いつかは必ず終わるんです。大好きなお友達との旅行も、大嫌いなテスト勉強も、いつも時間は平等に終わってしまう。だから、僕は今どんなあなたであっても、必ず大丈夫だって言いたいです。“あなたは絶対に大丈夫です。”」
スピーチの後、お姉さんのミチさんが登場。「初めてこうしたスピーチに挑戦したよしをいっぱい褒めてあげようと思います。」と、きょうだいのほっこりする掛け合いも。
そして、2人から、先日行われた座談会イベントに参加をしたメンバーをステージに招待し「よしミチの部屋」のコーナーが開かれ、「誰1人取り残されない社会とは何か」「10代がアクションを起こすときの壁」のテーマで4名がスピーチを行いました。
座談会や4名からのスピーチを通じて意識が変わったと話すミチさん。「難しいことに感じていたことが、座談会で出会ったみんなによって “身近”なものだと思えるようになりました。これからはアクションにうつせるように頑張ります!」
えつほさん:「自分を心から愛させてくれる社会」を実現したい、と語る。1年前は自分に自信がなくて、外に出かけても、誰かに笑われていると思って道で蹲ってしまうこともあった。自分を愛せないと人に優しくする余裕もなくなり、そんな自分をまた嫌ってしまった。「これを聞いている人には、自分の価値は自分で決めて、自分のやりたいことを全部やって、自分を愛して欲しいです。あなたが何を好きで、どんな人生を歩んでたとしても、あなたは美しいということを、忘れないで欲しいです。愛を込めて。」そう涙を流しながら伝えた。
りんさん:誰1人取り残されない社会を作るためには、「理解する・思いやる・助け合う」のサイクルをずっと循環させることが大事だと語る。「世間ではよく“多様性を受け入れる”という言葉を聞くと思いますが、多数派の人たちが受け入れる・受け入れないと判断する以前に、少数派の人たちは私たちのいる社会に共にもう存在しているのです。それをちゃんと理解することが大切だと思います。」
みみさん:子どもがアクションを起こす時の壁になっているのは「主体である子どもが子どもの権利を知らないということ」「社会の構造が大人中心になっていることで子どもの意見を受け止めてもらえにくい仕組みがあること」だと語る。「主体である子どもがアクションを起こす権利を知ることで、安心してアクションを起こすことにつながると思います。また、自分の権利を知ることは相手を尊重することにも繋がります。」
あやのさん:子どもの権利を広めるために院内集会への参加や政策提言活動、フェアトレード商品の販売など、アクションを起こすようになって4年が経ったが、元々は、アクションは特別な人・意識が高い人がやること、自分とは遠いものだと思っていた、と語る。子どもが好き!を突き詰めていったら社会問題に出会い、アクションを起こすようになった。「自分のこの “好き”を大切に」
ここで再び、素晴らしいオープニングイリュージョンを披露してくれたイリュージョニストHARAさんが登場し、今度は会場参加型のトランプマジックを実施しました。
参加者全員に配られた4枚のトランプを破いて8枚のカードにすると、1枚はお尻の下へ。その後も、シャッフルしたり隣の人と交換したり、そして、カードをどんどん捨てていくと…最後に残ったカードとお尻の下に置いていたカードの絵柄がピッタリと合い、会場では大きなどよめきが起きました。
続いて、男子プロバスケットボールBリーグに所属する、アルバルク東京のチアリーダーの皆さんとマスコットキャラクターのルークによるパフォーマンス!
アルバルク東京は、バスケットボールだけでなく、 地域に根ざした社会課題の解決のため、 社会的責任プロジェクト「ALVARK Will」として、カーボンニュートラルアクション、フードドライブなど、様々な取り組みを行っています。そして、クラブのスローガンは「WE」。I(私)1人だけでなく、WE(私たち) ファンや、地域のみんなと一緒に戦っていく、 みんなで大きな輪を広げていこうという意味が込められているそうです。
実は、Change Makers Fesの主催団体であるフリー・ザ・チルドレン・ジャパンもWEの考え方を持って活動をしているということもあり、Change Makers Fes のテーマダンス曲 “We Turn It Up”でも、W(E)のポーズが散りばめられていました。
ここでは、参加者全員でアルバルク東京のWEダンスも踊り、会場が一体となりました。
そして、ザック・バランスキー選手からは、メッセージ動画が届きました。
幼少期をアメリカで過ごしたザック選手。スポーツ選手達がチームカラーに関係なく10月になるとピンク色のシューズを履いている事に気が付きました。それがピンクリボン運動(乳がんの早期発見・早期診断・早期治療の重要性を伝える活動)だと知り、自分も将来アスリートになったらピンク色のバッシュを履いて活動を支援したい、と思ったそうです。2018年から活動を始め、はじめは1人でしたが、少しずつ「自分にも何かできないかな」と言ってくれる選手が増え、一緒に活動する仲間ができたそうです。
「最初はひとりかもしれない。けど賛同してくれる人は必ずいて、続けていくうちに少しずつ広がっていくこともあります。できることからはじめていきましょう。」と伝えました。
TikTokで75万人のフォロワーをもつシンガーソングライターのAnnaさんと、テアトルアカデミー所属の子ども達40名が登場し、歌とダンスのパフォーマンスが披露されました。
40名の子ども達も、事前にアクションを起こし、#チェンジメーカーアクション で数々の投稿を行ってきました!元気いっぱいのパフォーマンスに会場も盛り上がりました。
セットリスト:M1:一斉ノ喝采 M2:Mela!
開催レポート③に続く
※予定よりも長時間のプログラムとなりましたこと、お詫び申し上げます。
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Change Makers Fes 2023 ~世界を変えるキミに、この日を。~
日時:2022年3月28日(火)15:00-
会場:TOKYO DOME CITY HALL / オンライン(zoom)
参加者:会場1,200人、オンライン300人
●Change Makers Fes スペシャルアンバサダー
土屋アンナ、世良マリカ、わたなべちひろ、すみれ
●ムーブメントサポーター
ミチ・よしあき(よしミチ)
●フォトブースデザイナー
monet
●ゲスト
akane、DJ AKIRA、アルバルク東京(ルーク、チアリーダーHARUHI、CHIKAKO)、Anna、いわたまあり、WENDY、尾木直樹、小倉將信こども政策担当大臣、クレイグ・キールバーガー、サヘル・ローズ、自見はなこ大臣政務官、鈴木武蔵、鈴木夢・楽・誉、せやろがいおじさん、そわんわん、滝沢秀一、テアトルアカデミー、ててみ、中井友陽、HARA、ひかりんちょ、ブルース・アダムソン、Blue Vintage、星つむぎの村、野球YouTuber向、りゅうが、Lacey
●U25スピーカー
伊東美海、刈屋彩乃、阪口凜、薬師寺悦歩、ダラン優那、波田野優、山口清崇、晃華学園中学⾼等学校、さいたま市⽴⼤⾕場中学校、上尾市⽴上尾中学校、世⽥⾕区⽴桜丘中学校、東京学芸⼤学附属世⽥⾕⼩学校、明治学院高等学校、⽇本財団ボランティアセンターThe Volunteer Program for Ukraine、Lady bug、ガールスカウト⽇本連盟、専修学校クラーク⾼等学院 天王寺校総合進学コース、FTCJ子どもアンバサダー2022-2023
●共催
認定NPO法人フリー・ザ・チルドレン・ジャパン/日本財団
●協賛
ザボディショップジャパン株式会社
●後援
内閣府、文部科学省、東京都、世田谷区教育委員会、文京区教育委員会、独立行政法人国際協力機構(JICA)、特定非営利活動法人日本NPOセンター、東京ボランティア・市民活動センター
●Special Thanks
大東建託グループみらい基金、株式会社パワープロジェクト
●協力
株式会社フロンティアインターナショナル(企画/運営協力)、株式会社サニーサイドアップ(広報協力)
株式会社activo、男子プロバスケットボールBリーグ「アルバルク東京」、Ambient co.ltd、NPO法人インフォメーションギャップバスター、認定NPO法人ACE、認定NPO法人ESAアジア教育支援の会、NPO法人Wake Up Japan、一般社団法人SDGs市民社会ネットワーク、一般社団法人OSAKAあかるクラブ、認定NPO法人開発教育協会 (DEAR)、公益財団法人 風に立つライオン基金、公益社団法人ガールスカウト日本連盟、認定NPO法人国際子ども権利センター、持続可能な社会に向けたジャパンユースプラットフォーム(JYPS)、(特活)シャプラニール=市民による海外協力の会、清泉女子大学、公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、公益財団法人日本財団ボランティアセンター、公益財団法人日本YMCA同盟、株式会社パラダイスポスト、広げよう!子どもの権利条約キャンペーン、一般社団法人プロギングジャパン、文京学院大学、公益財団法人ボーイスカウト日本連盟、公益財団法人ユネスコ・アジア文化センター、一般社団法人One Young World Japan(50音順)
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